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ちいさなちぃちゃん

ピアノが弾けて猫がいればそれで十分なのです。

始めは全体の半ばである

始めは全体の半ばである。と言ったのはプラトンだとか、誰だとか聞いたことがあるけれど、
物事は始めてしまえば、半分は終わったも同然だ。といった意味だそうです。

ピアノの言葉に、
「ピアノの練習で1番難しいのは椅子に座ることだ。」といったのがあるけど、それと言わんとしている事は同じといったところでしょうか。

取り掛かるまでが難しく、始めてしまえば。
ピアノも椅子に座りさえすれば、練習は始まる。
そういった事。

しかし、どうにも面倒に感じる時や
体調が思わしくない時もあります。
どうにか自分に鞭を打って取り掛かりたいのだが、動き出せない。そんな時やるのが、
「とりあえず20」です。

昔々小学生の頃、掃除する時間が取れない
始業式や、夏休みの登校日といった日に、
よく担任の先生に
「はい、1人20個ゴミを拾って捨てて下さい!」というのがありました。
1時間や2時間しかいなかった教室から1人20個のゴミを探し出すのは中々大変でしたが、
小さな消しゴムのカスなんかも無理矢理カウントに入れて
「13!14!15!」
「イェーイ!俺、もう20個集めたー!」
「えー!はやーい!」
などと言うクラスメイトの声を聞いているうちに何故か自分のゴミ集めもスピードをあげ、
いつのまにか皆んなまんまと20個のゴミを集め、先生としては見た目にゴミは落ちていない教室の出来上がり。「さぁ、帰ろっか。」
と、なったのを、よく覚えていて
幼心に、40人×20個 800個のゴミがなくなった教室かぁ。凄いなぁ、と思ったものでした。

小学生の時の宿題にも新出漢字を10回書いてくるとか、ドリルを2回ずつなどと出されたり、
中学生になってよく出されたのが
英単語、熟語を20回ずつ書いてきなさい。という宿題でした。1つの単語を20回書くという事自体はそれ程苦ではないけれど、後半ちょっと飽きてくるんです、その、ちょっと飽きてくる頃になると、次の違う単語を書いて覚えたくなってくる。早く次の単語を書きたいから今の単語をさっさと書く。このパターンのお陰でまんまと私は覚えていく事が出来ました。
書きながら、今何個目だと数えながらやっているといつのまにか終わった。この、数える
というところには、ゴールがあるのがいいのだと思います。

ピアノを教えていても、生徒に
「はい、じゃあ後2回弾いたら今日はおしまいね。」というと、途端に俄然ヤル気を出して集中して弾く子が多くいます。

数えているうちに終わる。この良さに気付き始めた私は、父親に叱られて説教を聞いている時も、「長い説教だなぁぁ。数でも数えてるか。」と、「いーち、にーぃ、さーん、」 と
数を数えて全く説教を聞いてはいないアホな子供でした。(^^;

でも、子供ながらに数を数えてるうちに
いつのまにか終わり、キレイになるとか
覚えられるとか、終わってる。は、ラクに生きる術だと感じ、世にも下らない方法で数々の面倒くさい場面を乗り越えて来ました。

それは、中年おばさんになった今も役に立っていて、体調の悪さが連日続くと
それでもどうにかせねば!と、
「とりあえず20」を
取り入れ始めます。実に、実に下らない話なので、どれだけのくだらなさかを知りたい人だけ読み進めて下さいね。


例えば、これから畳む洗濯物の山を目の前に
とりあえず20枚畳むか!
階段拭かなくちゃなー。とりあえず20段拭くか!
書類溜まったなー。とりあえず20枚整理するか!
草むしりしなくちゃなー。とりあえず20本抜くか!
こんな、とりあえず20。
でも、洗濯物20枚も畳み出したら殆ど終わってるし、沢山あっても20枚も畳んだらそのまま終わらないわけもなく、畳み終わります。
そもそも、階段は20段もないし、
書類も20枚なんて溜まってない。
草むしりは20本じゃ済まないけれど、抜き始めたらやめるのが気持ち悪くて、ゴミ袋一袋は捨てます。今日は20回雑巾洗うだけ拭き掃除。
水槽を20回ゴシゴシ。
何気に、20回は、20回では終わってしまうもあれば、20回やり出したら止まらなくなった。
もあったりして、
結局は
「始めは全体の半ばである。」であって
取り掛かるに「とりあえず20」にしている所もあるけれど、そこは一応、20という区切りを自分に与えてあげることでやりやすくしています。
そんな風にして、どーしても億劫な時
「とりあえず20」法で、乗り越えてます。

何とも情けない話ですがね、でも
どうしてもしんどい。動けない!っていう時はこの下らない取っ掛かり法には助けられています。


これ、ピアノに当てはめると中々なことで、
ちょっと弾きづらい苦手なフレーズや場面、ページを20回繰り返して弾く。
「正しい」を20回弾く。
間違ってもいいを20回ではなく、
正確に。を、20回脳に教え込む。
脳は、間違いを弾くとその間違いをインプットして、また次に同じ弾き方をしてしまうので
間違ってもいいからを何十回練習してしまうと
間違いが上手になるだけで、一向に正しさの練習にはなりません。
だから、あくまでも「正しい」を繰り返す。最低20回。結構これは
キツい。でも、その負荷が身につくので、面白く、「こう弾きたい」を20回 「このペダリング」を「この速さで」を20回。ピアノばっかりは、さっさと終わらないし、

「求める質の20回」

にはならない。とりあえず20が通用しない。
だから終わらなくて、辿り着かなくて
やめることがないのかも知れない。唯一、とりあえず20が通用しない愛すべき面倒くさい楽器だと思います。

晦日詣に行って来ました。
今月も無事に過ごせたことに感謝をして。