ピアノ曲が大嫌いという人はあまりいない。
でも、ピアノの練習が大嫌いという人は山ほどいる。
ピアノ売ってちょ〜だ〜い♪なんてコマーシャルが流れているほどピアノ挫折者は多い。
なぜか?
ピアノって 面倒くさいんです。
以上。(^^;;
ピアノ程、脳を使う作業はないと言われている程ピアノ演奏は色々な技術を要します。
沢山の技術を総動員して音を奏でるために
必要な練習時間。弾ける様になるまでの練習量。「好きに 楽しく」ピアノで「遊べる」
様になるまでの年月。そこに気づいて嫌気がさして、やーめた!となるのか、
気持ち悪いほどのめんどくささに酔いしれてしまいハマってしまうのか、
そこの差。
私は、ピアノが大好きだったけれど
ピアノの先生は好きじゃなかった。
間違えれば叩かれたし、怖くて怖くて
教室のドアを開けただけでお腹が痛くなった。
今でも最初に通った教室の匂い、怒られて
頭の中が音符でいっぱいで沸騰しちゃってる自分を思い出せる。
宿題も熱心にやるどころか、いかにズルをして合格するのかに知恵を絞って、毎日元気よく外を駆けずり回わり、時にはレッスンをさぼり、
親も先生も呆れていたに違いなかったと思う。
でも、ピアノが嫌いになることはなかった。
ピアノが好きだ。その気持ちだけで
ほんのちょっとでも仕事に出来る位には行き着いた。
ピアノが出来ないのは、ピアノのせいじゃない。
絵が描けないのは、筆のせいじゃない。
踊れないのは、靴のせいじゃない。
教える人のせいでもない。
好きなら、自分の中から排除することはない。
絵も 針仕事も 料理も、ほかの楽器も好きなこと沢山あるけれど、
ピアノが1番めんどくさい。
めんどくさいにも、程があるだろ!
というほど、めんどくさい。
めんどくさいから、全然終わらない。
まったく、何一つ完成しない。
来世も、来来世も ピアノをやらせてくれる
家に生まれないとならない。
幼い私の手を引いて
「好きなピアノを選びな。」と連れて行ってくれた母にとりあえず感謝。
母は 練習しないことは叱らなかった。
でも、ピアノをキレイに扱わないと
げんこつ級に叱られた。
なんとなく今なら分かる。
好きなものは大切に。