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ちいさなちぃちゃん

ピアノが弾けて猫がいればそれで十分なのです。

厄介だが憎めない人

たかだか40とン年の人生経験ですが
色々な職業の人達と出会い、見えてきたことがあります。

ここでいう職業とは、私が出会った「職人」と言える職種に絞って話そうと思うのですが、
いわゆる、短気な人。

気が短いから、些細な事を口にしたり
態度に表したり。イライラしていると周りのみんなは「あ、又怒ってるよ」と、嫌な気持ちになったり、呆れたり。

私が人生で初めてそんな気の短い職人に出会ったのは、一番最初に教わったピアノ講師でした。音を外せば怒り、手が出ました。
ペシ ペシ 叩かれ、譜読みが遅ければ、隣でイライラされているのが幼稚園児の私でも分かりました。今では、大問題になるのでしょうが、
私達の頃は、この講師はまだいい方で
定規や指揮棒で叩かれたり、楽譜を破かれたり
椅子が飛んでくるなんて事も普通にあった世代でした。

その後は、美容師や家具職人、パティシエ、料理人、画家、漫画家、彫刻家、演奏家etc…美の世界に携わる多くの気の短い職人達と接してきました。
若い頃は、自分も勝気だったので対等に会話したりしていましたが、歳を重ねるにつれて
やはり気の短い人といるといい気分ではないし、距離を置くようになります。
しかし、どこへいっても気の短い職人は居るもので常に私の人間関係の中に一人や二人はそんな職人がいました。

ちょっとしたことで、大きな声をあげてみたり
違う違うと細かい事を要求してくる彼らは
チームの中の厄介者なのですが、
作り上げる作品は美しい。
作り上げる先にいるお客様に対して
いいモノを伝えたい思いが本気で、いい加減さがなく、美の感覚がとても研ぎ澄まされている。
イライラしていない時の彼らというのは
周りのみんなに対しての気配りに長けていて
とても優しい。

つまり、美しいものを作り出す人というのは、
あらゆる物事へのアンテナが沢山張り巡らされていて、とても敏感にキャッチし、形にする事が出来てしまうので、ちょっとでも違和感や
美から外れたモノを感じると排除せねば。と
思うのだけれど、そこに、気付かず行動しているチームメイトやアシスタントがいると、

はぁぁぁ?何してる?
何で分からない?
キィー!!💢

ってなるんだけど、その間数秒、若しくは
まだ行動にも起こしていない相手の間違った感覚を感じた瞬間に、もう彼らの湯は沸騰してるのです。

熱い。

美の世界で、モノを作り上げてる人は
熱いです。
作るという作業自体、エネルギーが必要なのに
そこに、いいモノを届けたい、表現したいといった思いも発生しているので、熱いのです。

私は、彼らが熱い時はそっとしておき、
熱い時に発するちょっと人を傷つけ兼ねない発言は自分の感情に入れないようにしようと思う様になりました。彼らは真剣に美を作り上げた後は大抵がユーモアに溢れ、気遣いも暖かく
知的な方が殆どでした。

彼らは湯沸かし器タイプの職人ですが、
湯が湧いても音の鳴らないヤカンの様な
静かな器の人や、中は熱湯でも外身は冷たい魔法瓶の様な人、人には迷惑を掛けない静かな職人もいます。彼らはチームを落ち着かせ、頼られるタイプになります。

私のピアノの生徒に、間違えた時
「はっ」としたり 「あぁ…」と嘆いたりせずに
静かにゆっくりと首を横に振ったり、私の顔を見て、にっ こりと笑う生徒がいます。
美しさへの静かな職人ここに現れたり。

熱い職人も静かな職人も
神経が細やかで、行動力があって
その下で働く新人、見習い達は圧倒されてしまったり見習わなくては、近づかなくてはと
つい慌ててしまったり、自信を失ってしまったりするかも知れないけれど、比べちゃだめです。近づこうともしなくていい。
ただ、その人の生み出すパワーを「感じる」
だけで、私は勉強になっていると思っています。

怒りんぼで、せっかちで、要求ばかりする
職人に潰されそうになった時はちょっと離れて
まったく違う性格の人と話をしてみたり、
同世代の友達と遊んでみたりして
離れたところから改めて見つめ直すんです。


あの怒りんぼ職人、厄介なやつだけど
憎めない人だな。と、感じたら 
あなたも「職人」なんだと思います。


離れたところから見つめ直してみても
「厄介で憎たらしい人」なのだとしたら
お互いのためにはならないと思うので
この話で言えば、職場、職種を変えた方がいいと思います。


大抵の職人は厄介だが、憎めない。




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昔はすっ短気だったフジコヘミングさんの
月刊ショパンの「猫とピアニスト」の
インタビュー動画

https://youtu.be/vhPDuJycPpc

8分24秒辺りから始まるゴキブリの話が面白かったです♪

ショパンが好きな猫の話や歌う犬の話などもされていますので
興味のある方は見てみてください。


ベートーヴェンは雷親父じゃなかったはず」
というフジコヘミングさんの捉え方が
私は好きです。




皆さん良い週末をお過ごしください🍎

最後まで読んでくださりありがとうございます♪



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