会えなくなってしまった昔の思いを胸に
離れると不安になってしまうちぃちゃんに
対話士さんは、
「でも、ちぃちゃん帰って来るし。本当に。」
「ちぃちゃん?ちぃちゃん。ちぃちゃん。」
「怖いんだよね。
ママがいなくなるのがね。」
そうですか…。
私は幼い頃、母の入院で数回一緒に暮らせない時期が年単位であり、きっと、あまりにもの悲しみからか私には母との別れのシーンが記憶にないのだけれど、父が言うには、その時の私は
「可哀想だった」らしい。
母がいない寂しさはもちろんあったのだけれど、それよりも、いない間に居てくれた
祖父母や、たまに来てくれた叔母や、
年の離れた姉がそれぞれの場所へ帰ってしまうことが悲しくて、悲しくて堪らなかった。
又、来てくれることも、会えなくなってしまうわけでもないことも分かっていても、寂しかった。
ちぃちゃんも、昔に私と1度どんな離れ方だったのかは分からないけれど、きっと、悲しい離れ方をしたんだと思う。
それから又出会えた安心出来る私が、同じ空間から居なくなる事が怖いんだね。
「時間が可能ならば、ギュッとしてあげて、
『お買い物30分!』
『仕事夜まで。』
この位の間待っててね。と、
具体的に伝えて上げてください。」
「ちぃちゃん、帰って来なかったことなかったでしょう?
あれはあれ。
今は今、 ですから。」
そう、対話士さんは、私へと、ちぃちゃんと話もしてくれました。
家族でも同じですよね。
いつも、が 当たり前になるまでは
分からないって心配なものです。
ちぃちゃんに、私はいつも必ず
帰ってくるから大丈夫なんだ。
安心して待っていよう。
そう、思って貰える様に、